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結晶塗装・・作業工程説明 (DIY) [焼付け塗装]

自分が忘れないように・・・


見ている方にも参考になれば良いなと思い・・・


結晶塗装(リンクル塗装)の作業の流れを紹介いたします。


塗装したパーツはこれ・・・


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エンジンのヘッドカバー・・・


古い塗装は剥離して、汚れは落とした状態から紹介します。


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カバーの裏も綺麗な状態になっています。


Holts(ホルツ) ペイントリムーバー MH261 [HTRC6.1]

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  • 出版社/メーカー: Holts(ホルツ)
  • メディア: Automotive


パーツを綺麗にした状態からが塗装のスタートになります。


パーツに油脂分がない状態が塗装の前提になりますので


しっかり脱脂しておきます。


脱脂職人シリコンオフ1L/ (静電除去剤配合タイプ)

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  • 出版社/メーカー: 太陽化学株式会社
  • メディア:
このような脱脂剤なる物が売られていますので、使用すると、失敗が激減します。





塗装前段取り 1


サンドブラストによる塗装密着力のアップ


こんな機械の中にパーツを入れまして、砂を吹き付け、塗装面の汚れ落としや塗装面の表面に凹凸を作り塗料の密着力をアップします。
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パーツをサンドブラストの機械に入れる前に、下準備が必要です
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砂を当てたくない(守りたい)場所に養生(マスキング)を行います
エアーの力を使って砂をパーツに当てて汚れなどを落としますのでかなりの威力があります・・・
ですのでガムテープ(厚手)を使って、砂を当てたくない部分を養生(保護)します。
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出来るだけ丁寧にガムテープを貼っていきます。
作業前に油脂分を除去出来ていれば、ガムテープは強固に密着して剥がれません
脱脂は大切です!!
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パーツのマスキング完了
この状態でやっとサンドブラストの機械の中に入れられます。
結晶塗装自体は、サンドブラスト処理を行わないでも、塗装は出来ます。
脱脂を十分に行っていれば塗料自体は密着します。
では、サンドブラスト処理を行う理由はなんででしょう?・・・・・
理由は、塗装表面に砂を当てる事によってパーツが凹凸(ザラザラ)になります。
この凹凸(ザラザラ)が塗装表面積を増やし(アンカー効果)、塗料を引っかかりやすくなり
塗料が剥がれ難くなります。
サンドブラスト処理をしていない状態より、長い期間塗装が剥がれ難くなります。
砂の種類(粒の大きさ)も色々あり、自分は塗装の剥離や汚れ落としには#80番と言うすなを使っています。
今回は、塗装前の下地処理ですので、#120番を使用しました。(#120~#240ぐらいがおすすめ)


金剛砂 #120 (2kg)

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  • 出版社/メーカー: ゆめ画材
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パーツをサンドブラストの機械の中に入れます。


手前に映っているホースから、エアーの力を使って勢いよく砂が出てきます。


この砂をまんべんなくパーツに当てていきます。



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なるべくムラが出来ないように全体に砂を当てます。


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サンドブラスト処理が終わったら、次の工程に移ります。



作業工程 2


水洗い・・・



砂が付いた状態では塗装が出来ません・・・


ですので水洗いします・・・


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サンドブラスト保護用のガムテープはすべ外します


水洗いついでに、さらに脱脂、足付け(塗料の密着力アップ)を行います。


まだパーツに付いているかもしれない油汚れを完全に除去します。


洗剤は中性洗剤でも大丈夫です。


自分は、

関西ペイント SUウォッシュコンパウンド 917-400

関西ペイント SUウォッシュコンパウンド 917-400

  • 出版社/メーカー: 関西ペイント
  • メディア:
この、SUウォッシュコンパウンドを塗装前の水洗いに使用しています。


このコンパウンドは、バイクや自動車塗装前の塗装前水洗い(足付け)用として売られています。


塗装前の表面処理剤などが入っていて、塗料の密着力がアップします。


使用時はゴム手袋を使用してください!! 手がヌルヌルします(手が荒れます)



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歯ブラシなど使って、細かい処まで洗います。




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たっぷりと水洗いして、洗剤成分を洗い流します。


出来ましたら、エアブローして水分を飛ばしてください。


ネジ穴など、奥まった部分を、しっかりエアブローして残った砂などを吹き飛ばします。


エンジンパーツですので、砂が残っていたら大変です!!



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サンドブラスト処理+水洗後の状態


粗い砂を使うと凹凸(デコボコ)になりすぎて塗装面に影響します(汚い塗装面になります)


細かい砂を使うと塗装面の密着力がアップしません(サンドブラスト処理・・意味なし)


適度なサイズの砂の使用が重要になります。(今回は#120番使用)



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裏面も洗剤で洗い、なるべく油脂分の除去を行います。


これで塗装前の下準備が完了です。




作業工程 3


マスキング処理



塗装がくっ付きたくない部分にマスキングテープを使って養生(保護)します。


マスキングテープは、車両用を使用してください!!


車両用は、今回の塗装のように高温で焼き付け塗装する場合でも対応しており、


のり残り(べたべたする)もありません。


ホームセンターなどでも売っています。(車両用を買ってください)


同じ色で、建築用なる物もありますが(少し安い)使わない方がいいです。


自分は・・・・後悔しました・・・(安かったから・・・)



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マスキングテープの幅はいろいろありまして・・・


今回は、50mm幅 24mm幅 12mm幅 など適材適所で使用しました。



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マスキング処理はなるべく丁寧に・・・



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慎重に・・・・・



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細かい部分は、マスキングテープをはみ出す様に貼ってから、カッターを使って余計な部分をカットします




これで塗装前の下準備は終了です。




作業工程 4


塗装(結晶塗装)




今回の結晶塗装はスプレーガンで吹き付け塗装しましたが


缶スプレータイプも販売しています

カーベック(CARVEK) 結晶塗料 黒 ブラック スプレー缶 300ml 1666 [HTRC3]

カーベック(CARVEK) 結晶塗料 黒 ブラック スプレー缶 300ml 1666 [HTRC3]

  • 出版社/メーカー: カーベック(CARVEK)
  • メディア: Automotive
カーベックさんが販売している商品です。


使用した事はありませんが、凹凸の少ないパーツにはよさそうです。


色も黒・赤・黄色・青などがあるそうです。


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今回の塗料も、カーベックさんのスプレーガン用の結晶用塗料を使いました


カーベック(CARVEK) 結晶塗料 赤 レッド 1L缶 1672 [HTRC3]

カーベック(CARVEK) 結晶塗料 赤 レッド 1L缶 1672 [HTRC3]

  • 出版社/メーカー: カーベック(CARVEK)
  • メディア: Automotive
スプレーガンで塗装する場合は、色を混ぜたり、塗料の粘度(硬さ)を調整したりできますので


細かい色の調整や細かい部分などに塗装するには最適です!!


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基本色 黒 赤 青 黄色 を使ってオレンジや緑なども作れます



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今回は、日産の純正色に近い色で塗装しましたので 赤 黒 黄色 を混ぜ合わして調色しました


この色の配合は、パーツ新品(当時物)をお借りして作りましたので、当時の新車時の色に近いものに


なっています。(この依頼主様専用のカラーですので、色の配合は秘密です!)



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調色した色は、少し濁った赤になります。



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今回の結晶塗装用の塗料は、焼き付けタイプになります。

120度で20分間高温乾燥させるタイプになります。


インターネットを検索すると色々な方がアイディアを出して乾燥させています。


すごいです。



自分は、心配性なので機会に頼ります・・・(今はプライベーターなのに・・・)


採算度外視したプライベーターは、プロ顔負けです・・・


現在、自分もプロからプライベーターになりましたが、お金も時間も制限がなくなった分


こだわりをもって作業が出来ます!!



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よこみちにそれてしまいましたが、塗装作業を開始します。


作業手順としましては(この方法は自分のやり方ですので他の方のやり方はしりません・・・)


焼き付け乾燥炉(プログラムオーブン)を使用します。


この乾燥炉を使うメリットは、ゆっくり温めて、指定温度になりましたらタイマーオン・・・そして


指定時間でタイマーオフ・・・・・そしてゆっくり外気温まで温度を下げます


この”ゆっくり”が大事で、ゆっくり全体にパーツを温めたり、冷やしたりする事でパーツが歪むことなく


焼き付け塗装が出来ます。



まずは、塗装するパーツにスプレーガンで、浴びるように脱脂剤(シリコンオフ)を吹き付けます


最終の脱脂処理を行います。


そしてエアブローで乾燥させます。




塗装に使うエアーには、水分が混ざってはダメです!


自分は、コンプレッサーから出てくる水分をまずは水分除去のフィルターを使います


そして、エアコンフィルターなる物を使用して除湿します。


これでほぼ、ホースから出る水分を除去出来るのですが、さらにスプレーガンの手元に


最終の湿気取り用のフィルターをセットしています。


塗装に水分は大敵です。




シリコンオフで最終脱脂したパーツは乾燥炉に入れて


50度に温めます・・・シリコンオフの最終強制乾燥とパーツの保温(この保温結構大事)



ここからは時間との勝負になります。



調色した塗料をスプレーガンに入れ・・・待機  (今回のパーツで1個約100ccの塗料使用)


保温していたパーツをセット


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そして・・・冷めないうちに塗装・・・


スプレーガンを使用していますので、塗装パターンを狭めて塗り難い部分を最初にスポット塗装


そして通常パターン(全開)に戻して全体を約3周塗装・・・一気に塗ります!!


通常の自動車塗装とは塗り方が違います。


パーツを保温(約50度)していますので塗料が垂れることなく厚塗り出来ます(します)


使用しているスプレーガンの径は1.3mmです。塗料の粘度は気温などによりますが、今は(夏場は)


シンナー約30%足して薄めています(塗りやすくしています)



塗装したら・・・素早く・・・乾燥炉へ・・・GO!!


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たっぷり塗っていますので、塗りたてはテカテカしています。




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120度で20分・・・・チジミました・・・


外気温にもよりますが、温度設定は約1時間かけて120度になるように調整して20分間の焼き付け乾燥


そして2時間以上かけて常温に戻します。


乾燥終了!!



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均一にチジミ模様が出来ました!!




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焼き上がりです!!





作業工程 5


ヘアライン仕上げ



塗装乾燥後・・・文字部分の金属を出していきへライン仕上げを行っていきます。



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金属を出していきたい部分以外をガムテープ(2枚貼)で養生します。




まずは機会を使って塗装を剥がします。


サンドペーパー80番で塗装を剥がします



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80番でこのぐらいまで塗装を落としましたら


次は、手作業になります。


サンドペーパー120番を当て板につけて


一方方向に文字を削っていきます。


目安は80番のペーパー目(キズ)が消えるまで行います


続いて180番のサンドペーパーに変えて120番のペーパー目(キズ)が消えるまで


一方方向に削っていきます。


そして・・・・240番・・・・同様に削ります。


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240番の状態・・・一方方向に削る事によってペーパー目(キズ)が綺麗に


ラインとして残り模様になります。


自分は240番で止めますが(一番自然な感じ)もっと鏡面に近づけたい場合は、320番 400番

600番 800番 1000番 1200番 1500番 2000番

とペーパーを変えて削っていくと・・・顔が映ります・・・・鏡面仕上げ



そしてガムテープを剥がして・・・・完成です


削った文字部分にクリアーを塗り、劣化しないように保護したりする場合もありますが、


なんか不自然に見えてしまう為、今回は行っていません・・・・


カスタムカーなど、ゴージャス使用の場合は、クリアー保護でピカピカ使用もありですが


今回のような、当時物にこだわるレストアなどの場合は、なるべく自然な感じに仕上げています。


適材適所・・・その人に合った仕上がりで・・・・こだわりをもって作業できるのが・・・・


プライベータの良いところ!!


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今は、好きな時、好きな時間だけ・・・好きな人のパーツと自分のパーツを塗装しています。


仕事では受け付けていませんが・・・・


やっぱり・・・塗装仕事は大好きです!!!



プライベーター最高!!





いろいろな趣味の塗装やDIY工作を紹介しているHPを作成中です


興味のある方はみて下さい!!









ミニモト CARVEK小型乾燥器クラフトオーブンCV-Junior

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